ダイビングマスクが鼻を覆っていなければならない理由

ダイビングマスクが鼻を覆っていなければならない理由
ダイビングマスクはスカートと呼ばれるシリコン素材で顔に密着するように出来ています。
このスカートは鼻も覆っています。
何故鼻も覆われていなければならないのでしょうか?
鼻が覆われていないものに水泳で使うゴーグルと言うものがあると思います。
これでダイビングをしてはいけないのでしょうか?
簡単に言ってしまえばゴーグルではダイビングは出来ません。
それはダイビングのフィールドは気圧よりも水に潜るほどに圧力が高くなるからです。
気圧は空気の圧力、水に潜ると水圧と呼びますが、圧力という観点だけで捉えるならば同じことです。
どれ位圧力が高くなるかと言うと、およそ10M潜る毎に1気圧増えます。
水面は大気圧約1気圧が掛かっている状態です。
そこに10M 潜ると1気圧増える訳ですから水深10Mでは2気圧掛かる計算になります。
陸上の2倍ですね。
それにより陸上で1気圧あったゴーグルの中の空気は2気圧になって初めて均衡が取れますから密度を高くして外気圧と均衡します。
外気圧の2気圧に均衡するためには密度が2倍になる必要があります。
その為体積は1/2に圧縮されます。
体積とは物の大きさですからそれが半分になると言うことはゴーグルの中の空気も体積が半分になってしまいます。
目が飛び出るのではと思うほど痛そうですよね。
20Mではどうでしょうか?
外気圧が3気圧になりますから密度も3倍、つまり体積は1/3にまで減ってしまいます。
つまりゴーグルの中の空気の体積が陸上の1/3になると言うことです。
もう目が痛いなんていう程度では済まないですね。
簡単な言い方をすれば空気の体積が無くなった分は目の周りのまぶたや目そのものが補うしかありません。
ゴーグルの中は目やまぶたやその周りの肉で補わざるを得ない訳です。
もし中に空気を入れられたらこんな事にはなりません。
その為に鼻から空気を入れる訳です。
鼻も一緒に覆われている理由がお分かりいただけたと思います。